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公共と民間…意外に違う働き方

皆様、こんにちは。

愛知県豊橋市の土木建設業、大松建設興業株式会社です。

先日建設業の働き方についてブログを書かせていただきましたが、会社選びの際に公共工事と民間工事どちらを主体にしているかというのも会社を選択する際の一つのポイントであると考えています。

さて、建設に関するニュース等でもよく聞く公共と民間という言葉、どのような違いがあるのでしょうか?

まず、公共工事については国土交通省のサイトを確認しますと、【公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律】という法律を根拠に定義が記載されています。

その定義は国、特殊法人等又は地方公共団体が発注する建設工事とされています。

国といいますと、国土交通省や農林水産省等といった各省庁。

特殊法人等は、土地改良区や土地区画整理組合、地方道路公社等法令によって規定される公益法人。

地方公共団体というのは、都道府県や市区町村を指します。

このような団体が管理している道路や橋、建物等の公共施設の新規築造又は修繕等の整備をするための建設工事を公共工事といいます。

それに対し、民間工事は公共工事ではない建設工事を指します。

一般の方の住宅や企業の工場や店舗の建築、壊れた設備の修繕等の建設工事が民間工事となります。

民間でも大規模な工事ではまた条件も異なってきますが、弊社のような地方の中小企業のレベルで言いますと、勤務先を選ぶ条件に休日の多さ等を望むのであれば、公共工事主体の会社を勧めます。

元々外仕事の傾向が強い建設業では、雨が降って現場が動かなければ休みというように計画的な休日取得が難しいと言われてきました。又、特に年度末にかけては工期に間に合わせるために休日を取らずに無理な連勤で終わらせるような力技も日常茶飯事だったと聞きます。

しかし、かつては他産業と比較して残業時間の上限が多かった建設業も、令和6年度より他の産業と同様の上限時間になりました

つまり、過剰な労働時間は法律で認められなくなってきたというわけですが、その影響は公共工事と大規模な民間工事に比較して、地方の中小企業が請け負うような民間工事を主体としている事業者では享受しにくい状況にあるというのが実情です。

ここ数年間で公共工事では『週休2日』が発注時の条件として繰り込まれることが常識となってきました。

公共工事ではその工事の詳細が公告され、その公告された設計資料を基に受注したい建設業者が工事価格を算出して入札を行うという流れになります。

設計資料の段階で週休2日を求める旨が記載されている工事で週休2日を達成していないと、契約金額の減額等が処せられますので、必然的に週休2日を確保する動きになっています。

なお、この週休2日の定義は年々厳しく(適切な)ものになっています。

(弊社が主に工事を受注しているのは豊橋市と愛知県なのですが、数年前から大半の工事が、令和6年度からは受注したすべての工事が週休2日制度の工事です)

対して、弊社と取引がある、あるいは面識がある地元の中小建設業者さんで民間の工事を中心としている建設業者さんは、週休1日のところも多く、発注者の都合で土日祝日でしか作業ができない現場があるという話も多々聞きます。

特に地方都市の中小建設業においては、週休2日や大型連休時の休暇の状況は公共工事を中心としている方が民間工事を中心とする建設業者よりも充実しているという傾向にあるというのが、弊社周辺での肌感覚です。

そしてもう一つ。地方公共団体が発注する工事は、当たり前ですがその地区で施工する工事です。

豊橋市が発注する工事は、豊橋市内が施工現場であり、愛知県が発注する工事は豊橋で言えば豊川、田原、蒲郡等を含む東三河地域を管轄する部署によって、その地域内で施工する工事が発注されます。

又、原則としてその発注した地域内に営業所のある事業者しか入札できないという案件が大半を占めています。

例えば豊橋市発注の工事は豊橋市の業者が対象となることが大半で、愛知県発注の工事でも岡崎市は西三河地域となるため、よほどの事情がない限りは東三河の業者が入札に関わることがありませんし、その逆もしかりです。

つまり、その地域の地方公共団体が発注する工事を中心としている業者は、市外や県外の現場まで数時間もかけて移動する工事というのが非常に少ないということです。

民間の工事の場合、取引先の都合によっては全国各地の現場に動くことが少なくありません。

もちろん、色々な場所に行くことに喜びを持つ方も多数おみえになるかとは思いますが、長く仕事を続けるうえで移動時間の少なさというのも大きな要素となるのではないでしょうか。

もちろん傾向の話なので、絶対ではありません。

しかし、就業先を選ぶ際に休日や移動時間等を重視するのであれば、公共主体か民間主体かという視点を持っていても損はないでしょう。

なお、弊社は年間通じて豊橋市外の現場で施工をすることは数日あるかないかです。99%程度は豊橋市内の現場にて工事をしています。